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オンライン学習を高めるにはどのような能力が必要なのか?〜10年の調査結果〜

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 自粛になりましたねぇ。。

今回は全国では無いですし、比較的ゆるい感じなので自粛疲れみたいなのは軽減されそうですね。一応2月には解禁のようですが、前回とは感染規模が違うんでどうなるかは分からないところであります。こんな社会情勢ですが、ひとまず言えるのは、個人で問われる力って「オンラインでの自主学習」だと言えます。

 しかしながら、これには結構自主規制の力も問われたりするわけです。(私もついついyoutubeにそれてしまったり、、)


そこで新年一発目は「オンライン学習ではどんな戦略が良いのか?」ってところを紹介していきます。新年こそは!と思う方はぜひ参考にしてください。

自己調整力とは?

 そこで参考になる概念が「自己調整能力(self regulation learning)」というもの。学問的には以下の3つの特徴があります。

a)自己観察(自分の行動の監視)

b)自己判断(自分のパフォーマンスの評価)

c)自己反応(パフォーマンスの結果に対する自分の反応)

、、、定義なんで難しく書きましたが、簡単にまとめると

a自分にとって大事なことを選んで、
bちゃんとやってみて、
c自分で振り返って調整していく

という、まあPDCAみたいなもんですね。当たり前のことに仰々しく名前がついてる感じと思っていただければ良くて、実際自己調整力の中にメタ認知やら時間管理とかも含まれているんで名前はあんまり重要でも無いです。概念の方が大切です。



10年にわたる研究結果

 長くなりましたが、この自己調整力中で何が重要なのかというところを調べた研究が本題です。今回紹介する調査は前述の事項調整力で大学の成績がどうなるかを調べたもの。2004年から2014年までで


・査読付き論文であること

・高等教育(大学)のコースであること

・オンラインまたはWEBでの授業であること


を条件に研究論文を精査したそうです。なんでまあまあなんではいかと。で、結果ですが、



1位、対話、グループ学習(r=0.3)

2位、時間管理(r=0.14)

3位、努力管理(r=0.11)


という結果に。。。ちなみに、       


時間管理=オンライン学習のスケジュールを決めとく
努力=難しい課題に対して諦めず継続する


というくらいの解釈です。

一方で全然効果がないのが


オンライン学習を何度も聞く

クリティカルシンキング

ヘルプシーキング


だったんです。ブログでも何度かでている概念が、ことオンライン学習においては効果なしだったのが意外でしたねぇ。


まとめ

 結果としてなんですが、「共同学習以外は微妙!!」というところです。オンライン学習こそ一人でコツコツやるもんだと思っていた方にはやや残念な結果となりました。オンラインこそ「あらかじめスケジュールに受講時間を入れておく→グループでディスカッション」という王道が大事なんで2021年のインプットの参考にしていただければと思います。



参考

https://www.researchgate.net/publication/261435907_Self-Regulated_Learning_Strategies_SRLS_and_academic_achievement_in_pre-university_EFL_learners