エビデンスで教育を考えた

頭が良くなる科学論文を紹介していきます。

脳科学の知見に基づきトレーニングしたら、創造性があがったよーという話。

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 以前から#石川義樹 さんをストーキングしております、math-like。

 

mathlikeb.hatenablog.com

 

先日、彼のツイートにこんなのが流れてきましたとさ。

 

<blockquote class="twitter-tweet" data-lang="ja"><p lang="ja" dir="ltr">脳科学の知見に基づきトレーニングしたら、創造性があがったよという研究→<a href="https://t.co/U1MDPqJN2P">https://t.co/U1MDPqJN2P

Yoshiki Ishikawa (@ishikun3) <a href="https://twitter.com/ishikun3/status/1046363534932602882?ref_src=twsrc%5Etfw">2018年9月30日</a></blockquote>
<script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>

 

知りたい!!

 

ということで、読んでみたのでご紹介。

 

脳科学での創造性とは?

 創造性というとなんだかすごいものを想像してしまいますが、科学では定義したものは観測(ないし測定)できないといけません。

 

 ここでいう創造性とは

 

特定の要件を満たすか、または何らかの形で有用なものになる新しい組み合わせ
 
として定義してます。

 

mathlikeb.hatenablog.com

 

この調査は2012年から1年間行われたもので、参加者はみんな修士課程以上の猛者でして、 2つのコースに分かれ共に週に1回(4時間)を8週間行い、どちらも同じ教室に同じ教授で統一したようです。

 

2つのコースですが

 

・ANC(応用脳)コース(83名)

今回使われたもの。どういったカリキュラムだったかというと

 

①多様な発想divergent thinkingと収束思考convergent thinkingの違いと、これら2つの組み合わせがどのように創造力の源であるかを理解する。
 
多様な発想というのは、いわゆるブレストみたいなもんで、とにかくアイディアを出しまくることですね。そして、収束思考(これは本当に有用なのか?)でクリティカルシンキングしていく感じ。この研究では後半が特に重要視されてます。
 
②さまざまな創造的なツールを学び、そのようなツールがなぜ神経学的な観点からどのように働くのか、またそれらのツールをいつ使用するのかを理解する。
 
③創造的なツールを実際に適用しながら(必要に応じて)行動を起こす。

 

 

・ノン創造(NNC)コース(64名)

創造性について学ぶが、脳科学ではなく、芸術、組織論などのバックグラウンドから講義する。②③は一緒だが、あくまで脳科学的観点はなし。

 

99名の学生が両方の試験を実施したようで(ANCコースから62名、対照NNCコースから37名)。

 

 

 

両被験者ともに創造性テストを受けてもらった結果、

 

 

ANCを用いた場合、28、5%の増加が見られたそうな

 

しかしなんでこれであがるかどうかの理論的説明はまだないようで、

「単に新しい方法をもらったからモチベ上がっただけじゃね?」

という可能性もあります。また、1回4時間なんで、まだ普通の人が応用するには辛い感じ。この辺はまだ紹介で止まりそうですなー

 

参考

Applying the neuroscience of creativity to creativity training