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性格と大学の選択、どちらが先なのか?という研究

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以前に「大学の学部によって正確に違いはあるの?」という記事を書きました。
www.mathlikeb.com


その後も続編なんかも書いていたんですが、今回は第3弾です。ズバリ、「性格は大学に入ってから違いが出るの?」という研究です。
www.mathlikeb.com


というのも以前に書いた記事では、「学部ごとに学生を集めてみたら違いがあった」という結果でしたが、それは

その学部に入って学んでいく中で性格が変わってきたのか、それとも

最初から特定の性格の持ち主が特定の選考を希望しているのか(生まれつき神経質な人が芸術学科にとか)、

この辺がわからなかったんですよね。その辺を調べた結果、ビック5の一部の性格に学部選考の好みがあったぞ!ということがわかったのでご紹介します。

ある性格の人はここを専攻する!

まず再三の復習にはなりますが、現代の科学では性格は5つに分類されていまして

外向性(陽キャ)
誠実性(マジメ)
協調性(空気読める)
開放性(好奇心旺盛)
神経症傾向(感情変化)

の5つがその代表です。

それを踏まえまして、オランダで行われた当研究では17〜20才の高校生男女886人に参加してもらい、

大学に進学するか

どこの学部に進学するか

性格はどうか


の順で調査を行いました。


その結果わかったのは


・女性より男性の方が応用科学、スポーツ科学を先行する傾向にあった。逆に女性は社会科学系が多かった。


・外交性が高い人の方が経済、法律の分野を専攻する傾向があった。しかし、誠実性は低い傾向にあった。


・人文系はもっとも内向的で、かつ誠実性も高い人が専攻する傾向にあった。


というところ。つまり、ビック5のうち外向性と誠実性には専攻前からの傾向が見られたわけです。前回の結果と合わせると、



・開放性

 人文科学、芸術学、心理学、政治学などの分野で有意だった。→これらの学部に入ってから開放性が上がった?

・誠実性

芸術と人文科学は、他の学術専攻よりも一貫して低い得点を示し、科学、法律、経済学、工学、医学、心理学との比較で中程度の効果の大きさが見いだされた。→これらの学部に入ってから誠実性が上がった?

・外向性

経済学、法学、政治学、および医学が高い。→政経法は最初から外向的で、医学は入ってからの環境?

・調和性

特に目立った有意なし。

・神経症傾向

芸術と人文科学は、他のすべてのグループと比較して神経症に一貫して高く評価され、経済とビジネスのスコアは、他のグループよりも一貫して低い。→これらの学部に入ってから開放性が上がった?



となりそうです。芸術学部には入らない方が良さげっすねぇ。。


まとめ

というわけで今回は性格と学部はどっちが先なの?という話でした。所感としては「意外と性格は大学に入った後で変わってくるのかなー」というところでしょうか。誠実さをあげたい!という目的なら科学、工学、医学、心理学なんかに入っておくと無難かもですねぇ。ご参考までに!


参考
https://www.scirp.org/journal/paperinformation.aspx?paperid=19297