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クリティカルシンキングはあれで高まる。

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 論文系のエントリーが久しぶりになってしまって恐縮です。

 最近頭が衰えてきてるので脳の辺りを調べていたんですが、「脳の実行機能はクリティカルシンキングに効くよ!」という研究があったので久しぶりにテンションが上がっております。

 実行機能とクリティカルシンキングについて軽く復習させてもらうと、脳の実行機能とは、計画や戦略を立てたりする役割を担っています。とても重要な機能です。そして実行機能には大きく分けて

更新、シフト、阻害


という3つありました。
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一方でクリティカルシンキングとは解釈、分析、評価、推論などを統合した判断手法です。これは大人になっても鍛えられるし、ビジネス(特に看護の現場)でも求められるしで何かと重宝される能力でした。
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両者を考えれば、まあ何かしらの関係はありそうではありますが、きちんと調査されていたのがありがたいですね。早速見ていきましょう。

実行機能との関係は?

 調査は239人の大学生が対象で、被験者にはそれぞれ


n-backタスク(ここでは2-back)
クリティカルシンキングテスト
実行機能テスト
信念バイアス
推論テスト


などを受けてもらい、どれがお互いに関係があるのかを見ていったんですね。この研究の面白いところは、さらに脳波まで測定していたところです。

 そこでわかったのが、

・実行機能の力はクリティカルシンキングの20%くらいを説明していた

・この影響はバイアスなどの要因を取り除いても残った

ということ。さらに実行機能を個別に見ると


更新、シフト、阻害のうち、特に更新と阻害がクリティカルシンキングに強く影響していた


とのこと。つまり既存の物事に対して「ちょっと待って、それ本当か?」と問える能力だったり、正しかったものに対しては過去の考えを素直に改められたりすることがポイントとなってきましょう。


まとめ

 というわけで今回はクリティカルシンキングと実行機能の関係でしたー。あんまりクリティカルシンキングの向上とかを取り上げて入れなかったので、個人的には朗報でした。実行機能はそこそこあげれていたので。

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あとは、実行機能の3つの能力の高め方とか、クリティカルシンキングそのもののあげ方を考察していきたいと思います。