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自粛って言うけれどそもそも規制って科学ではどう言うことなの?と言う話。

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 昨今はコロナの影響で自主規制とか自宅自粛なんていうのがキーワードになりつつあります。

 ところでこの自主規制というのはどのように考えられているのでしょうか。Kruglanski (2000)によると、自主規制は

評価:目標を達成するのに必要な手順
行動:必要な手順をクリアするためのアクション

とで考えることを提唱しました。


被験者はスウェーデンの高校生160人。
彼らの学業成績(国語、英語、数学、体育)、幸福度と自主規制度を測定して、いつものごとく回帰分析をしたんですね。特に自主規制度においては、評価と行動とを別々に分けて調べました。

その結果、まず評価に関してですが


評価と学業成績には正の相関が得られた。(r=0.25)

ところが評価と主観的幸福には負の相関がみられた。(r = −0.23)


とのことに。評価をすれば成績は上がるが、幸福を感じれなくなるというなんとも言えない結果になりました。一方、行動はというと


行動と体育の成績には正の相関が

行動が高まると主観的幸福度も高まる!(r = 0.24)

という結果に。なんでこうなるのかには明確な理由がないのですが、

「成績の良いやつはそもそも親とかから規制を受けてるんでない?幸福度下がるのはそのせいでない?」とか
「運動(体育)自体が主観的幸福のもとではないのか?」なんていうことも考えられるわけで、その意味ではまだ自主規制に関しては突っ込みどころが多い理論です。

まとめ

 というわけで今回は自主規制についてでした。個人的には評価と幸福との関係には興味深いものがありましたねー。昨今の規制疲れを裏付けるものではないかという。この研究によれば、規制には運動を!ってことなのかもしれませんなぁ。



参考
(PDF) Self-regulatory mode (locomotion and assessment), well-being (subjective and psychological), and exercise behavior (frequency and intensity) in relation to high school pupils’ academic achievement | Danilo Garcia - Academia.edu