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肥満や運動は数学にどう影響しているの?

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 25歳で体を壊してからというもの、健康には手間を惜しまないわたくし。運動や食事には気を遣っておりますが、研究者の中には偏食や運動していない人も多いものです。みなさまはいかかですか。この時期だと、食中毒も怖いところ。

 

 それはそれとして、今回は肥満と数学のお話。というのも、数学の先生って、ぽっちゃりからガリガリまで、ほんと十人十色。実際のところ、健康と数学にはどの程度関係があるんだろう?と思ったところ、案の定、そういうところを調べてくれている論文がありましたのでご紹介します。

 

 

 今回紹介するのは、669の学校から選ばれた50,549人のチリの中学生に対して行われた調査。被験者は20mシャトランやら立ち幅跳びやらで運動能力(前者は心肺機能、後者は筋力)やBMIを調べられた上で、言語能力や数学の能力を検査させられたんですな。

 

その結果、

 

・過体重や肥満のひとは、正常体重と比較して言語および数学的スコアが有意に低かった。(P = .071)

 

ただし、

心肺能力と筋力を調整した後、これらの有意差は、言語能力および数学で消失したか、または弱められた。

 

・ 心肺能力と筋力能力が高い人は、両方のモデルとも低および中程度の能力を持つひとと比較して、

 

著しく高い学力達成スコアを示した。

 

 

他にも、肥満同士では

 

・運動している高肥満グループは、運動をしていない高肥満者と比較して、数学(P <.001)と言語(P <.034)の両方で高い学業成績を有する確率が高かった。

 

 

とか、運動してない同士だと

 

・運動していない低肥満グループは、運動していない高肥満群の若者と比較して、数学で高い学業成績を有する確率が高かった(すべてP <.003)が、言語では差がなかった。

 

などなど。つまり、

 

筋肉量と心肺機能は数学に影響するってことですな!

 

研究者も、「健康な生活を送っている方が成績は良い」とのコメント。なので、体重維持や運動能力は数学に役立ちうると思っていただければいいのではないでしょうか。今太っている人も、ぜひ運動をして数学に励んでいただければと思います。

 

 

私も、今年はもうちょっと心肺機能を高めていこうかなぁ

 

 

 

 

参考

Cardiorespiratory Fitness and 

Muscular Strength as Mediators of the Influence of Fatness on Academic Achievement